2026年10月 お手本【一般 漢字規定部】

2026年10月31日締 昇段・昇級試験について

一般部は以下の課題から、受験段級に応じて、規定の作品を提出ください。

半紙Ⅰ:「松静鶴留聲」
半紙Ⅱ:「舒情属思」
半紙臨書:米芾「張季明帖」「李太師帖」より
条幅A:「謝朓詩」
条幅B:「田紫芝」
条幅臨書:米芾「張季明帖」「李太師帖」より
実用書:10月31日締掲載課題

※1 半紙臨書、条幅臨書は、 米芾「張季明帖」「李太師帖」 であること。手本掲載と異なる箇所の臨書でも構いません。(昇段試験では条幅臨書の範書はありません。)
※2 受験料、そのほか昇段・昇級試験に関する規約については、「四季の書 規約」をご確認ください。
※3 半紙Ⅰ、半紙Ⅱは手本の「一般 漢字規定部」に掲載。半紙臨書は「一般 臨書部」に掲載。条幅A、条幅B、実用書は「一般 条幅部・随意部・実用書部」に掲載

師範受験者(受験時 準師範)課題
半紙Ⅰ:三体
条幅A:二体
条幅臨書:一枚(20字以内)
実用書:一枚
準師範、六段受験者(受験時 六段、五段)課題
半紙Ⅰ:三体
条幅A:二体
半紙臨書:一枚(6字)
実用書:一枚
五段~二段受験者(受験時 初段~四段)課題
半紙Ⅰ:三体
条幅B:一体
実用書:一枚
初段以下受験者(受験時 特級以下)課題
半紙Ⅱ:三体
半紙臨書一枚(4字~6字)

半紙Ⅰ

松静かに鶴声を留む
松の色は静かに青々としており、鶴は美しい鳴き声を留めている

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【手本解説】
一作目は、北魏楷書で、多くは張猛龍碑の中に書かれている形をとりました。直線的な鋭角的な起筆によって構成された結体は、北魏楷書の中で一番知性を感じさせ、唐代の九成宮醴泉銘に連なる美意識だと思います。やや前かがみな左傾の結体も忘れずに表現して下さい。
いつものように、行書は米芾ベースなのですが書道ガイドの”董其昌集”の解説やら、成瀬映山先生と田中東竹先生の対談文を読んでいる間にいつもより細線を用いて書いていることに気付きました。草書にもその傾向があります。筆まかせにしない理知的な連続線を用いて書作しました。筆法重視の書き振りと言って良いかと思います。
漢碑を主体とした隷書ですが、鶴だけは漢碑の中には見い出せなかったものですから、清の姚元之の書例の中から用いました。聲の耳の最後画をやや木簡風の動きのある曲線で表現しました。

[岡田明洋]

半紙Ⅱ

情を舒(の)べ思いを属す
心の程をのべあらわし思いの程を文に書きつづる

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【手本解説】
今回もまた、すべての文字が歐陽詢が残してくれた石碑の中にありましたので、当然、歐法を用いての制作です。属という文字をもう少し上から書き始めて大きく書いても良かったかもしれません。端整な佇まいを表現して下さい。
行書は、やはり米芾を主に集字しましたが、なるべく王羲之の筆法に近づけたい思いがあったので、興福寺断碑の臨書をしたあとに、この字句を書きました。このような方法をとるとイメージ化しやすいかと思います。
草書も書譜と十七帖を臨書してからの書作です。少しは、その姿が髣髴としていますでしょうか。無理に連綿線を用いることなくオーソドックスな草書の筆法を学ぶのにこの二古典に如くはないと思います。
最後は、馬王堆帛書ベースですが、私の範書を見ての出品があるようになりましたので昇段試験においてもお示ししました。篆書から隷書へと移り変わる姿をお楽しみ下さい。

[岡田明洋]