2026年06月 お手本【一般 漢字規定部】

漢字規定部 初段以上

亀は息ふ芝蘭の叢(そう)
亀は芝蘭の生じ茂れる処に息うている

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【手本解説】
上から、左は北魏楷書を基調としていますが、芝と叢の字は、書例がありません。このような時は、隷書から唐代までの書体を見て、まずは骨格がどうかを考えます。そして、重心の位置や用筆法を考慮して北魏調とします。「叢」の字が縦長にならないように気をつけてください。
右は行書です。「亀」と「蘭」は米芾に見えますので、それを参考に左傾を心掛けて書きました。いつもより肥痩の変化に気をつけたつもりです。「息」の心の点も、アクセントをつけて、蔵鋒的な打ち込みを試してみました。
下段左は青山杉雨展の図録に、菅原教夫氏が「青山杉雨の書」という文章の中で記した”杉雨が文字の規則性のゆるい時代の書を選び、創造の働く広いフィールドを確保しようとしていることである”の一文に触発されての隷草です。字典に束縛されない、肉筆文字の面白さを表現出来ていたら嬉しいです。
最後の隷書も、私が普段臨書している木簡の調子を取り入れただけのものです。横画の伸びに気持ちを注入しました。

[岡田明洋]

漢字規定部 特級以下

雲は奇峰を聳(そび)えしむ
夏の天の雲の形容

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【手本解説】
やはり、半紙に四文字の書作においては、唐代楷書が書きやすいです。段の方の解説文に記した”規則性”の強いのが唐代楷書であり、それは創作の面白味は少ないけれど、決して避けては通れない基本点画の学書だと思います。スックとした姿勢の良いたたずまいを表現して下さい。
二つ目は、行書です。上半が単体、下半が複体ですので、紙面構成上はやっかいな字面です。特に「聳」の字は見慣れない漢字です。息の長い線で、ゆったりとした連綿線を引いて下さい。特に縦画の伸びは表現しましょう。その為には、ゆっくりと下に筆を運ぶように心掛けて下さい。
三つ目は、隷書です。下半の「聳・峰」は、隷書特有の扁平になりづらい字ですので、逆手にとって木簡に見える長脚の線を用いてみました。
四つ目は、秦隷と称される篆書から隷書へと移行する過程の文字です。これも創造の働く広いフィールドの中の一つの書き方だと思います。

[岡田明洋]