2023年02月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】澤琴舟 【硬筆】佐々木笙扇

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 特待生>
浦 ひまり
一画ずつ、ていねいに書けています。良い夢になったね。
<中1 九段>
鈴木 紬
大きな筆の運び良く、力強い作品となりました。
<中1 七段>
山本 里優
懐の広いおおらかな造形です。名前もしっかり書けました。
<中2 特待生>
長岡 柚奈
筆圧が強く、墨も良く入っている規模雄大な作。
<中2 特待生>
鈴木 昊
含墨豊かな作。求心性のある力強さを表現しました。
<中2 五段>
須藤 夏乃子
紙面を上手に使い鳳の飛翔するような作。
<中3 特待生>
土井 千亜希
筆圧の変化があり、線の強弱が上手に表現されました。
<中3 特待生>
遠藤 衣月
流れるような線が美しく、穂先を生かした作。
【選出所感】
「初夢」中学一年生のみなさんは、どんな初夢を見たことでしょうか。夢がかなえられるようになるといいですね。「初」は複体つまり偏旁の字ですから当然やや扁平になりますね。「夢」はスカイツリー型の高さを表現する字となります。全体の外形を理解してその中で気脈が一貫するように書くといいですね。汐音さんは右転折を軽めに、志歩さんは裏への墨の入り方が改善されると掲載が近づきますね。
「竜飛鳳舞」伝説上の存在である竜が飛び上がり、鳳凰が空を舞う様子を表しています。そして文字の書き方や筆の勢いが生き生きとして自在であることを言うようになりました。
残念ながら皆さんの作品は墨量が不足していました。これだけ画数の多い字画ですから十分に毛の腰のあたりまで墨を含ませてから、墨池から紙面までは、筆を横に寝かせ、起筆で筆を立てるようにすれば、墨は自ずから入るようになります。「入木の精神」です。

[岡田明洋]

硬筆

<中1 特待生>
深谷 志歩
のびやかな線でペン先を開かせスケールが大きい秀作。
<中1 九段>
川﨑 汐音
大きな造形、そのダイナミックさが素晴らしい。
<中1 初段>
杉山 寧音
伸びやかで明るい線。更に連綿を用いよう!
<中2 特待生>
長岡 柚奈
中心が通りハネやハライの思い切りの良さいいですね。
<中2 九段>
須藤 日奈子
線質の変化に優れ一字の中に陰影のある作品です。
<中3 特待生>
田村 奈穂
ゆっくりとていねいな中にも強弱の変化のある優美な作。
【選出所感】
一年間、ペン字を扱ったことによって随分としっかりと肥痩のついた文字を書くようになりましたね。縦画の線などとても力強く充実感のある作品となっています。寸評にも書かれている「ペン先を開かせてスケールの大きい」とか「ダイナミックさが素晴らしい」とか「伸びやかで明るい線」などと記されているのは、共通のペン運びが出来ているからです。「正」は草書です。「風」も釈文のほうは、崩しの多い行書です。楷書から行書、さらに草書へと表現力が豊かになるといいですね。そして文字に対する知識も豊富になってくれると嬉しいです。
二・三年生はお手本づくりも楽しいです。旧字体の「萬・國」は「万・国」です。漢詩と釈文を併記することで、文字に対する関心が高まってくれると嬉しいです。「俗」は草書。「承」と「福」は相当画を省略して書いています。文字に対する知識は若い皆さんにとっては、どんどん吸収されていきます。行書や草書がみなさんの骨肉となってくれることを願います。

[岡田明洋]