2021年4月 優秀作品【中学生】

選者選評 石神澄璇

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 特待生>
田村 奈穂
動きのある線で、行書の流れをしっかり表現しています。
<中1 十段>
遠藤 衣月
伸びやかに、行書の基本を忠実に表現しています。
<中1 十段>
山下 萌生
気持ちのよい流れの中に線の強さも感じられます。
<中1 九段>
土井 千亜希
リズム感があり、筆脈が豊かに表現されています。
<中3 特待生>
新村 七斗
筆脈を意識して、のびのびと元気に書けています。
<中2 十段>
鈴木 理斗
大きさが揃い、全体的に上手にまとめました。
【選出所感】
30年前、私の生徒だった女の子。今は3人の子のお母さん。その息子の中学校の卒業式の写真がお母さんから送られてきました。紋付袴のドヤ顔の少年。この野球少年が四月からは県外へと出かけます。野球とお習字の両立。夜八時にお迎えに来てくれたお母さんお父さんに「感謝」してくださいね。私がこういわなくても、君はわかっていると思います。是非中学一年生の課題ですが、君も一枚書いておうちに残しておいてください。もしかすると15年間しか一緒にいられなくなるかもしれないから。そして君自身は「青雲の志」を持ち続けて生活してください。
春は旅立ちの季節です。3年ぶりに教室に挨拶に来てくれた高3の生徒。素敵なお手紙をいただきました。
“今まで感謝の気持ちをまだ伝えられていなかったので、ここで伝えさせてください。私は小学生のころから岡田先生に指導していただくことを通じて自分を大きく成長させることができました。鉛筆の持ち方をはじめ、岡田先生に教えていただいたことが今も多く生きています。自分がやった数多くの習い事の中でも、心からやってよかったと思える習い事の1つです。長い間、私と真摯に向き合って力を伸ばして頂き、本当にありがとうございました。岡田先生のもとで書道ができてよかったと心から思います。大学も常に目標をもって様々なことに挑戦したいと思います”と締めくくっています。嬉しい!本当に嬉しいです。字を単に上手にするだけでなく、文字を書くことによって、文字を大切にすることによって内面的に成長してほしいという私の願いをきちんと理解してくれていたのです。あなたに送ります。「青雲の志」と!!
書は生きる証です。

硬筆

<中1 十段>
遠藤 衣月
行書の流れが上手にできています。バランスが良いですね。
<中1 八段>
門田 律希
筆脈がよく、きれいな線で仕上がっています。
<中2 特待生>
三津山 創太
丁寧な書き振りで、心のこもった作品です。
<中3 特待生>
新村 七斗
やわらかな線で、全体の流れもよく上手にまとめました。
【選出所感】
漢詩と俳句の二本立てという、「四季の書」オリジナル版の中学生の硬筆部の課題ですが、文字の大小を理解して紙面が美しく見られるように書いています。漢字の半径に対して、仮名は2割小さくするといいと言います。一字一マスの中に書きますから、上下の空きも違ってきますが、それで構いません。文字の重心がマスの中心になるようにと心掛けて書いてください。
つけペンより、デスクペンの方が硬いので、やや人差し指の力を強くしても良いですね。そうすると線の太さが出ます。
先月の一般部の選出所感で書いたように中学生も”ペンの代わりにまず鉛筆で書いてみて、その上につけペンかボールペンでご自身で添削するつもりでなぞり書きしてみると自分の形の悪いところが分かると思います。”に挑んでみてください。