2023年04月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨 真草千字文」
恭惟鞠養豈敢

PDF

まずは余談ですが、以前偏と旁が接触している方の文字は、人との付き合い方に問題があるようなことを書きましたが、これは、あるテレビ番組で放送していた文字占いの方の説を引用したものです。様々な場面で、この説は本当だと思うようなことがあります。偏と旁がぶつかっている大将のお品書きは、大将の喧嘩早さを物語っており、旁が広いお上さんの字からは、ゆったりとした気品さえ感じます。ですから、子どものお習字には、偏旁の離れているお手本しか書かないつもりでいます。
ところが智永の真書(楷書)をみますと、比較的、偏旁が触れているものが多いのですが、もしかして、智永は永欣寺の閣上に30年間閉じ籠って800本以上の「千字文」を書いたのも、人との触れ合いを避けているのではないかと不思議に思っていました。線質はあれだけ伸びやかなのに結構上においてはどうして偏旁が触れてしまうのか一年間「四季の書」で取り扱ってきた謎でした。
今月より取り扱う”草書”は、偏旁接触は多くありません。どう考えていったらよいのか判断できません。