2021年4月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

臨 蘭亭序
「以為流觴曲水」

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初めに 今月から3か月、蘭亭序を紹介していきます。古典名品を正式書体と略式書体を交互に3か月ずつ扱っていきます。条幅部はその逆で3か月で交代していきますので、双方を上手に活用して頂ければと思います。

書道史上一番の書家といえば、書聖と称される王羲之(おう・ぎし)ということになります。そして王羲之といえば、まず思い起こすのが蘭亭序です。そして書学者が、その過程で必ず臨書をするのが「蘭亭序」です。
「蘭亭序」は永和九年三月三日(今から1668年前)王羲之47歳の時に書かれたといわれています。この春の良き日に、王羲之は、会稽山陰の蘭亭の地に、江南の貴族41名を招き、禊の儀式を行なったあと、流觴曲水の雅宴を催して詩酒に興じました。その時の詩集の序文を主催者である王羲之自ら筆をとって書いたので「蘭亭序」といいます。お酒を召して書いたものですから、後日、改めてその一文をお清書したのですが、興じたときに書いたものには及びませんでした。そこで、それを家宝にして子孫に伝えたといいます。つまり草稿ですので、文字の上から書き改めたり、塗りつぶしたりした箇所があるのです。襟を正して謹厳実直な面持ちで書くより、多少お酒が入ったくらいのリラックスした気分で書く方が伸び伸びと筆が進んだということなのでしょうか。