2026年11月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨米芾徳忱帖」
五月四日芾啓

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【手本解説】
先月まで書き進めて来た米芾の「張季明帖」ですが、この帖も終わってしまいました。
米芾と言えば、「蜀素帖」と「苕溪詩巻」が、テキストとして採用されています。この二巻は、王羲之の集王聖教序を意識したようなしっかりとしたたたずまいをしていますが、今まで学習してきた「李太師帖」や「張季明帖」のような尺牘が持っているところの卒意的な趣は感じとられません。つまり、裃(かみしも)を着飾ったような感じがします。米芾の書いた尺牘が董其昌を経て、後の明清の王鐸や傅山(フザン)、張瑞図(チョウズイト)などのロマンチズム運動を展開していったように思われます。
五月四日芾啓の六文字は、日付と署名ですから、作品を書こうなどという思いではなく、ごくごく自然に筆を執って書き流したように思われます。今まで以上に肩の力を抜いてリラックスして米芾の素顔に迫っていきましょう。

[岡田明洋]