2026年08月 お手本【一般 条幅部・随意部・実用書部】

条幅部

「竇遴奇句」
高樹風を受け涼戸に入り
疎簾(それん)日を障って静窓に当る

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【手本解説】
今回も、墨場必携・夏の部を見て、この字面なら木簡で書くのが面白そうだと決め打ちをして木簡字典で、八分隷書から草書や行書に転じる書体探しをしました。
髙などは、草書化するのが早い文字だと言えます。受、當(当)なども居延漢簡で草書化されている字です。
踈の束の口の一画目が省略されていること、簾のタケカンムリは、クサカンムリ同様、ソと一で表現されていることに着目しましょう。
木簡字典に収録されていない文字は障・静・窓です。障と静は、それぞれ偏と旁を結びつけての造字です。窓というのは心がない形が正字ですので、その形を用いながら隷草の調子で書いたものです。
作品を上と下に二つに分けると、上部に画数が多い文字が集まり、下部が入・戸などの画数の少ない字があるので、最後の二字を草書化しなければ良かったと反省しています。

[岡田明洋]

随意部

「臨九成宮醴泉銘」
随之仁壽宮也

岡田明洋

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「臨礼器碑」
皇極之日魯相

岡田明洋

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「臨趙之謙」
善得者鬼喪之

沖村春岑

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「臨興福寺断碑」
朱軒跪龍顏梭於

佐々木聳肩

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【手本解説】
毎朝NHKの朝ドラを見て楽しんでいます。しかし、何年か前から、ヒロインの鉛筆や万年筆等の持ち方が気になって仕方がありません。
余談ですが、あるドラマでは途中から同じ女優さんなのにとても美しい持ち方に替わりました。(今の朝ドラではありません)きっと私のような、持ち方が気になる方がいてNHKに投稿したのではないかと思ってしまいます。
お稽古場で小学三、四年生になると、「あの俳優さんはおかしな持ち方をしているね。」とか「マツコ・デラックスとトランプはいいペンの持ち方してるよね。」などと会話をしているのを聞くと嬉しくなります。子供たちがペンの持ち方について常に高い意識を持ってくれている証拠ですから。

[岡田明洋]

実用書部

さぬき市東かがわ
残暑なほ単衣の肌に汗ばめど磯の木陰に鳴く蝉もなし

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【手本解説】
まさかの四字の平仮名です。香川県東部の市の名が「さぬき市」「東かがわ市」。どうして、讃岐と漢字表記にしなかったのでしょうか。讃岐うどんは、全国の人が知っているであろうし、書人のすべての人が尊敬している空海こと弘法大師は、讃岐国多度郡屏風浦と記されているではありませんか。東かがわも東香川で良かったでしょう。静岡県「東しずおか」駅とは書かれていませんよ。
漢字を専門、それも、秦隷と呼ばれる、まだはっきり定義づけされていない書体に惹かれている私にとって難物な課題でした。ただただ、流麗な仮名を書きたいと思ってのものです。仮名字典などを参考にお書き下さい。
「残暑なほ単衣の肌に汗ばめど磯の木蔭に鳴く蝉もなし」大正から昭和に活躍した歌人、土田耕平の有名な歌です。もうすぐ蝉の鳴き声が聞こえるでしょう。暑くなるであろう夏が、一足飛びに・・・という思いで、この歌を選んだのでしょうか。晩夏の物寂しさを詠んだ歌です。

[岡田明洋]