2024年06月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】沖村春岑 大村清琴 岡田明洋 【硬筆】大村清琴 沖村春岑 岡田明洋

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 八段>
小泉 奈央
迷いのない運筆が気持ち良い。
<中1 三段>
小野 奏
筆が良く立った強く美しい線です。
<中1 初段>
小嶋 明里
豊かさを感じさせるやわらかな線が魅力です。
<中2 七段>
松村 日和
素直な書き振りの明るい作。
<中3 特待生>
鈴木 紬
くせのない伸びやかな線。美しい作品です。
<中3 十段>
山本 里優
みずみずしくありながらシャープさも感じられる線。
【選出所感】
紬さん、特待生おめでとうございます、中学三年生になっても筆と墨で白い紙に思いを表現してくれてありがとう。
今年からは、三学年総ぶつかりの競書としました。三年生での特待生を目標にして、気脈を生かした行書の書き振りを学んでほしいと思います。行書は曲線を主体として線の連続性と省略によって造型の表現をします。
香のノギヘンと日の位置関係を見てください。下部になる日を少し右に寄せると左傾になります。新の木は払いではなく、点・点でも構いませんし、右サイドの点を省略しても構いませんが、斤(オノヅクリ)につなげる気脈が必要です。クサカンムリの形もソと一で表現しますが、一画目の点と一とは必ず離すようにしましょう。上部を大きくするのが王羲之系の行書の特徴です。

[岡田明洋]

硬筆

<中1 八段>
谷 駿佑
大きくのびのびとした文字でおおらかな気持ちになります。
<中1 三段>
小嶋 明里
ペンをなめらかに動かすように意識しがんばっています。
<中2 特待生>
末永 実以
一画の中での筆圧の変化、次の画への筆脈、共に立派です。
<中3 十段>
山本 里優
丸みを帯びた点画の中に心地よい流れが表現されました。
【選出所感】
昇段試験対策の文章にペンの開閉に注意した作品を書きましょう。と述べましたが、見事二年生の実以さんが、特待生に合格しました。寸評にも”筆圧の変化、筆脈共に立派です。”と書かれていましたね。普段の文字も落ち着いて、いい意味での自信をもって素敵な文字を書きましょうね。
あいうえおを行書と草書で書き分けて、それを字母として仮名が生まれたことを理解してもらおうという狙いです。女優、吉高由里子さんは、左利きだそうですが、とても美しい筆の持ち方で仮名を書いています。てのひらに卵が入るような空間が大切です。テレビで見ていても、無駄な力を入れずゆったりと筆を握っています。皆さんも女優になったつもりでペン字を書きましょう。一文字を大きくしたので、その分親指をしっかり調節して筆脈を大切にしてください。

[岡田明洋]