選者選評 岡田明洋 沖村春岑 大村清琴
漢字規定部(昇段試験合格者)
※作品は押すと単体で表示されます
【選出所感】
今回は残念ながら師範合格者がおりませんでした。条幅作品が一枚多くなるだけだと思いますが、その一枚が大きな壁になるのでしょう。いつも言っていますように、普段から条幅作品に慣れ親しむことが大切です。まずは正しい文字での表現、誤字を書かないようにすることに最大限努めましょう。不安な字形があったら字典を開くようにしてください。手垢のついた字典は勲章を手に入れたようなものです。一枚書いたら行が立っているかをチェックしてください。半切に二行ですから三行の余白部分がありますが、その行がスッと立っているかどうかを確認しましょう。あまりに余白の広さに違いがあったり、行が蛇行しているようでしたら、見づらい作品と言えます。更に墨の量や、線にスピードの緩急がついているかどうかを見定めましょう。美しい線、存在感のある線を引くためには、墨量や、速度の違いが生み出すところの潤滑の変化がなくてはなりません、不断の努力をお願いします。
今回は残念ながら師範合格者がおりませんでした。条幅作品が一枚多くなるだけだと思いますが、その一枚が大きな壁になるのでしょう。いつも言っていますように、普段から条幅作品に慣れ親しむことが大切です。まずは正しい文字での表現、誤字を書かないようにすることに最大限努めましょう。不安な字形があったら字典を開くようにしてください。手垢のついた字典は勲章を手に入れたようなものです。一枚書いたら行が立っているかをチェックしてください。半切に二行ですから三行の余白部分がありますが、その行がスッと立っているかどうかを確認しましょう。あまりに余白の広さに違いがあったり、行が蛇行しているようでしたら、見づらい作品と言えます。更に墨の量や、線にスピードの緩急がついているかどうかを見定めましょう。美しい線、存在感のある線を引くためには、墨量や、速度の違いが生み出すところの潤滑の変化がなくてはなりません、不断の努力をお願いします。
[岡田明洋]
漢字規定部(月例課題)
条幅部
【選出所感】
私の会の方は、今年も読売書法展への出品に熱心に取り組んでいます。その為、普段の月例条幅部に手が回らないようです。そこで読売書法展に出品する作品の前半後半を二つに分けてそれぞれ半切に書くように指導しました。二尺八尺の紙の値段が驚くほど上がっている昨今です。半切にたくさん書いて、字形を手に叩き込ませる魂胆です。比較的廉価に求められる半切。少し字粒は小さくなってしまいますが、最初から大きなサイズに書かなくても半切で十分なのです。先日の練成会で若手の方に、とにかく午前中は半切に墨で書き、午後、二尺八尺に書いてもらおう、と考えていたのですが、全体的に手本の見方が甘く、大きく書きすぎていました。そこで午後は午前中に書いた半切すべてを朱墨で添削するつもりで上書きしてもらいました。感じるところがあったのでしょう。私も朱墨を買って、この方法でこれからもやってみます。と嬉しい感想を述べてくれました。
是非皆さんもお試しあれ!
私の会の方は、今年も読売書法展への出品に熱心に取り組んでいます。その為、普段の月例条幅部に手が回らないようです。そこで読売書法展に出品する作品の前半後半を二つに分けてそれぞれ半切に書くように指導しました。二尺八尺の紙の値段が驚くほど上がっている昨今です。半切にたくさん書いて、字形を手に叩き込ませる魂胆です。比較的廉価に求められる半切。少し字粒は小さくなってしまいますが、最初から大きなサイズに書かなくても半切で十分なのです。先日の練成会で若手の方に、とにかく午前中は半切に墨で書き、午後、二尺八尺に書いてもらおう、と考えていたのですが、全体的に手本の見方が甘く、大きく書きすぎていました。そこで午後は午前中に書いた半切すべてを朱墨で添削するつもりで上書きしてもらいました。感じるところがあったのでしょう。私も朱墨を買って、この方法でこれからもやってみます。と嬉しい感想を述べてくれました。
是非皆さんもお試しあれ!
[岡田明洋]
実用書部
【選出所感】
前回の実用書、昇段試験対策の文章で”大概の方は太く書いているようです。”と記しましたが、この半年における毛筆細字で毎月同じような感想を持ちました。更に言い加えますと、線ががさついています。西洋紙への揮毫ですからどんなに墨を入れてもにじむことはありません。ですからもっと墨を沢山毛先に含ませて、線を書き終わったら、墨がこんもりと盛られた様子が残っているようなら、潤いのある線で書けたということになるのだと思います。多分三体の中で一番手ごわいのが、毛筆細字でしょう。一度鉛筆で書いて、その上から毛筆で重ね書きをしてみる方法もあります。起筆、収筆の位置のチェック、線の長短、空間の統一性と広狭の違いを確認して、自己添削するつもりで毛筆で墨書してみたらどうでしょう。私の会の何人かはこの方法でやっています。限りある資源SDGsでもありますし、自己批正による所の観察眼の向上にもなります。前回の昇段試験対策の文章も併せて再度お読みいただければと思います。
前回の実用書、昇段試験対策の文章で”大概の方は太く書いているようです。”と記しましたが、この半年における毛筆細字で毎月同じような感想を持ちました。更に言い加えますと、線ががさついています。西洋紙への揮毫ですからどんなに墨を入れてもにじむことはありません。ですからもっと墨を沢山毛先に含ませて、線を書き終わったら、墨がこんもりと盛られた様子が残っているようなら、潤いのある線で書けたということになるのだと思います。多分三体の中で一番手ごわいのが、毛筆細字でしょう。一度鉛筆で書いて、その上から毛筆で重ね書きをしてみる方法もあります。起筆、収筆の位置のチェック、線の長短、空間の統一性と広狭の違いを確認して、自己添削するつもりで毛筆で墨書してみたらどうでしょう。私の会の何人かはこの方法でやっています。限りある資源SDGsでもありますし、自己批正による所の観察眼の向上にもなります。前回の昇段試験対策の文章も併せて再度お読みいただければと思います。
[岡田明洋]