2022年8月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨 関中本千字文」
尺璧非寶寸陰

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左右の文字の組み合わせが少ない画数と多い画数の文字が並んでおり、前後の配字も交互に少ない多いとつながっていますね。このような字画の箇所はとても書き易いですね。「尺」左右の払いの伸びがこの字の最大の魅力です。重厚感があっても伸びも表現しています。原本は私の書いたものより、もっと立派です。又、拓本の影響もあるのかもしれませんが、接筆の一画目と三画目、二画目と三画目は離し加減で書いた方が良いかもしれません。
「璧」の左上部の広い空間、下部の「玉」がつぶされているような風情がやはり隋時代の楷書の書き振りと言ってよいのかもしれません、左払いと最終画のフェンシングの剣のようなしなやかさを表現しましょう。
「非」は2本の縦画の広さ、懐の広さを意識しましょう。それに接する横画の不即不離の接し方も見逃してはいけません。
「寶(宝)」の中心が右へ右へと移行してやや動的な感じを与えます。貝の短い横画の接し具合に注意しましょう。
「寸」2本のしっかりとした横画と縦画。一呼吸おいてのはねと点の存在感。
「陰」のコザトヘンの伸びと右払いの充実感が智永の流美さを表現しています。