2025年07月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】佐藤綵雲 【硬筆】石神澄璇

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 特待生>
長岡 璃奈
行書の線を続けていこうとする意が感じられる。
<中1 1級>
島倉 ひなた
筆に入れる力の具合がとても良いですね。今後楽しみです。
<中2 九段>
谷 駿佑
紙面を圧する大きく伸びやかな線見事です。名前いいね。
<中2 五段>
小野 奏
文字にリズムがあってよいです。もう少し墨量を欲しいかな。
<中3 特待生>
末永 実以
海のサンズイ、とても魅力あり。氏名もお見事です。
<中3 六段>
土屋 凜佳
何か楽しいことがあって書かれた様子が伝わりました。
【選出所感】
中学生のみなさんにも「虚掌実指」をお勧めします。鳥のくちばしのように、親指と人差し指がなってはいけませんよ。一般部の条幅の所感に書きましたが”手のひらの力を抜き、指先に力を入れて、筆を握るようにします。強く握りすぎると鳥のクチバシのようになってしまいます。”
思春期を迎えて、姿勢なんかどうでもいいよ!と思っているかもしれませんが、それは違います。小学校一年生の国語にあったように”あしはぺったん せなかは、ぴん おなかとせなかにぐうひとつ。”足を前に出して書いている大人の方もいますが、それではせすじは、ぴんとはなりません。
姿勢・持ち方・筆順ということに注意しながらそれに”雲海”のイメージを重ねていきましょう。雲の上にいるかのような感動、夕焼けに照らされた雲海、富士山にかかる雲海。いろいろな雲海を想像しながら書くと書く枚数も増えると思いますよ。

[岡田明洋]

硬筆

<中1 特待生>
深谷 ゆり
流動感があり、勢いを持ち合わせた作品です。
<中1 十段>
平野 真千子
慎重なペン使いですね。伸びやかでいいね。
<中2 十段>
谷 駿佑
ダイナミックで躍動感があり、生き生きとしています。
<中2 五段>
小野 奏
手慣れたペン使いで作品のまとめ方が立派です。
<中2 五段>
小嶋 明里
緩急のある線で、作品全体に躍動感があります。
<中3 特待生>
末永 実以
気脈の一貫性がある素敵な行書です。
【選出所感】
中学生の「心澄めば怒涛ぞ聞こゆ夏至の雨」は一マス一字でなかったことと、「めば」・「こゆ」のような連綿線を用いたお手本だったために、随分大変だったようですね。八月からなるべく一字一マスの中に書くようにしますので、皆さんも落ち着いて書いてください。
今月から中学生の皆さんには、都道府県名を行書を用いて書くようにしましたが、何人かは、力の入れすぎで、ペン先の開きが広くなり、肉太の線になってしまった作品も目にしました。龍海くんは細身のボールペンだったかな。0.5ミリくらいがいいのかな。先生に相談してみてください。
つけペンを用いると鉛筆と違い、ペン軸の角度がまずいとインクが出なくなってしまったり、反対にお池ができてしまったりするので、神経を使いますが、そこがまた面白いというところだと思います。

[岡田明洋]