2024年05月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】濱田芳竹 【硬筆】山田淥苑

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 六段>
谷 駿佑
伸びやかな線で、運筆・形共に素直に書けました。
<中1 五段>
中司 沙英
筆が立って満開の桜が浮かんできます。
<中2 十段>
末永 実以
筆の動きが大きく明るく伸びやかな作が魅力です。
<中2 六段>
松村 日和
落ち着きのある線で、丁寧に筆を進めています。
<中3 特待生>
深谷 志歩
筆の動きが大きく明るくどうどうと書けています。
<中3 十段>
鈴木 紬
鋭い起筆で、形もよく紙面をまとめています。桜大佳。
【昇段試験対策】
「香る新茶」は中学一年生には難しい課題ですね。書き急ぎしない。つまりあわてて書くことがないように心掛けてください。香のノギヘンの楷書でしたら払う所が、行書では、はねとはねで組み立てられています。このようにして、連続性を表現します。日の位置を少し右にずらすことで、ノギヘンと日の構えが左傾(サケイ・左に傾く字の形)になります。「る」は柔らかい曲線の筆運びが大切になります。絶対に筆管(軸)を回転させることがないようにしてください。「新」は木のところの払いは点点で連続のリズムをとります。斤(オノヅクリ)は伸びやかに縦への運動を表現しましょう。茶のクサカンムリ、行書の時は「ソ」と「一」で書き表します。その後は、一本の糸のようなつもりで紙面から離すことなく書きましょう。少し線の進む方向に軸を傾けながら書く俯仰法という技法を取り入れても良いですね。

[岡田明洋]

硬筆

<中1 六段>
中司 沙英
文字が揃っていて線もしっかりひけています。字間もいいです。
<中1 初段>
小嶋 明里
文字の大きさがとても良くて余白が生きています。
<中2 特待生>
遠藤 有衣
均一のとれた線がきれいです。全体の字粒もいいですね。
<中2 十段>
末永 実以
字に伸びがあり空間のとり方が安定しています。
<中3 特待生>
浦 ひまり
筆圧がしっかりしています。その中に行意もあり、流石です。
<中3 九段>
山本 里優
丁寧な書き振り。ボールペンで落ちついて書きました。
【昇段試験対策】
中学生は、初めての課題です。一行目を読めますか。「あいうえ」とかいています。上の字は行書と呼びます。行書の下の字を草書と呼びます。五世紀の初めころ、日本に漢字が伝来しました。草書を更に崩して、九世紀の後半には、日本独自の平仮名が生まれました。平仮名の元になった文字を「字母」と言います。文字のお母さんということですね。草書を習うことで、一層滑らかなペンの運びが出来るようになると思います。
以前は四字句を二つ、そして二行目と三行目にその注釈を書きましたが、やはり、字の形を正確に覚えるためには、大きく書く必要があると反省しました。時には、大人の実用書の課題よりも多い文字数になっていましたものね。より文字の形を美しく、ペンの開閉に注意した作品を書きましょう。

[岡田明洋]