2024年03月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】佐藤綵雲 【硬筆】沖村春岑

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 特待生>
遠藤 有衣
優しい筆遣いです。「の」上手!氏名も流れがある。
<中2 特待生>
深谷 志歩
豊かな墨量、伸びのある縦画が魅力。緩急の変化をつけよう。
<中2 特待生>
浦 ひまり
抑揚の変化をつけ、ゆったりとした書き振りにしました。
<中2 十段>
鈴木 紬
温和な線で、落ち着きを感じます。更に連綿の意識を!
【選出所感】
「菜の花」クサカンムリの形が行書では、色々な書き方がありますね。①楷書的に書くもの②十十のように書くものは、タテ・ヨコ・ヨコ・タテの書き順で書きます。お手本の花のように、「ソ」と「一」で書く時は、必ず一画目と三画目が触れることの無いように大きな空間を取りましょう。一年生の作品はスピードに対して墨の量が足りなかったように思います。豊かな線は豊かな墨量によって描かれます。
「菜の花」といい、「福寿草」といい、春の訪れを一番最初に知らせてくれるのは黄色い花ですね。光沢のある黄色の花は、雪の重み寒さにも負けずに花開くのですね。三年生のみなさんは、受験の壁を破り輝かしい未来が待っています。「四季の書」の二月の成績が載る前に”喜びの声”を聴けることを祈願しています。今回掲載されなかった子は、もっと毛先に墨を沢山含ませて、思い切りのよい線を引いてみましょう。そして光り輝く「福寿草」を書き切ってみましょう。来月は「満開の桜」です。

[岡田明洋]

硬筆

<中1 十段>
末永 実以
少しふくらみのある強い線が魅力です。
<中2 特待生>
深谷 志歩
キレのある線で統一感あり。特待生らしい堂々の作。
<中2 十段>
鈴木 紬
軽めのタッチでさわやかに仕上がっています。
<中3 特待生>
鈴木 昊
行書とひらがなが調和して美しい作品になりました。
【選出所感】
一年生の課題は漢文のところでは、画数の多い、少ないの違いが有りすぎて調和させるのが大変だったですね。原則的には、画数の少ない字はやや太めに。多い字は筆圧を軽くしてスピード感を出すように言っているのですが、今回はやや力んだ感じがしました。又、釈文の一行目の文字数が少ないのも緊張感が損なわれた原因です。やはり選文は大切です。
二・三年生の課題は、画数の多い字ばかりで大変かと思いましたが、皆さん、右下に引っ張るはらいやはねを活用して上手に左傾を生み出していました。特に里優さんの漢文の行は見事でした。残念なのは、釈文一行目の字幅が狭かったことです。祖・積などの複体の懐を広くすればよかったですね。地は永久・・・以降はゆったりと書けていました。
新学期から一年生と二・三年生の区分けをしないで、三学年共通の課題とします。中学一年生は初めてのペン字です。上級生の書き振りを見て研究してください。

[岡田明洋]