2023年11月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】沖村春岑 岡田明洋 大村清琴
【硬筆】大村清琴 岡田明洋 沖村春岑

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 特待生>
遠藤 有衣
スケールの大きな字。勇気をもらいます。
<中2 八段>
山本 里優
線に流れが出て、さわやかな作品になりました。
<中3 特待生>
須藤 日奈子
安定した筆づかい、大きな動きもすばらしい。
<中3 九段>
須藤 夏乃子
一本の線の中にも抑揚があり、美しいです。
【選出所感】
「神無月」この課題のポイントは連続と省略を理解してもらうことにありましたが、一年生の皆さんにとっては難しかったでしょうか。先月の昇段試験対策にも、シメスヘンの省略した形、レッカにつながっています。一筆書きのような書き方と書いてありましたね。この文章から、連続と省略という語句を導き出して頂けるとよかったですね。これからは、ブルーの地の文章「選出所感」や「昇段試験対策」をしっかりと読み解いてください。
「穂波」も偏から旁への気脈が大切になります。偏でおわるのではなく、次につながる旁の線に向かってはねることを意識しましょう。二文字の時は、いつも以上に墨の量を多くして、墨痕鮮やかな作品を書いてください。二・三年生は、半紙に四文字が多いので、今回のような二文字課題で小さくまとまってしまったことが残念でした。書き初めでは、墨量豊かな作品を書いてください。

[岡田明洋]

硬筆

<中1 十段>
末永 実以
左傾をとらえることに努力した様子がうかがえます。
<中2 九段>
山本 里優
連綿線の流れを意識しなめらかな書きぶりになりました。
<中3 特待生>
須藤 日奈子
ペンが左右にも大きく動き、ゆったりとした作品です。
<中3 十段>
須藤 夏乃子
1行目の漢字の幅がそろい、全体的なまとまりが良いです。
【選出所感】
「昇段試験対策」のところで、書き忘れてしまいましたが、漢詩のところは旧字体で書いてあり、訳文のところでは、草書体を用いている個所もあります。中学生になっても、せっかく書道を習ってくれているのですから、字の意味に関心を持ったり、書体の幅も広げて表現できるようになるといいですね。
一年生は、ペンを少しはやく動かしすぎているようです。文字の骨格が失われています。「暁・露・垂」など、今どの画を書いているのかわからずに手を動かしているようです。しっかりした観察力があった後に機能的な指の運動をしてもらいたいと思います。
二・三年生は、すこし窮屈な字形になってしまいましたね。縦長な字形になりやすい漢字や、連綿を多用した仮名による構成なので、仕方のないところもあったかもしれませんが、懐を広くとって書いてくれたらよかったと思います。

[岡田明洋]