2021年7月 優秀作品【中学生】

選者選評 石神澄璇

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 特待生>
青島 庵
行書の特徴をとらえた素晴らしい作品です。
<中1 特待生>
鈴木 昊
筆勢があり、のびやかで美しい作品です。
<中1 四段>
太田 侑希
流れが美しく、リズムも感じられる行書です。
<中2 特待生>
遠藤 衣月
安定した筆づかいとバランスで、立派に書き上げました。
<中2 十段>
山下 萌生
字形に気を配り、味わい深い作品です。
<中3 特待生>
三津山 創太
強弱があり、慣れた運筆で行意をマスターした。
【選出所感】
「雲海」中学一年生も、いよいよ本格的に行書学習に入ります。お手本を書く時にも、なるべく気脈に気をつけて書いています。「雲」のアメカンムリの中の点々、云を一筆書きにする気持ち。海のサンズイ、毎の上部と下部を一気に書くなど、次の画を意識して書きましたね。早く書かなくてもよいので、毛先の弾力を用いながら、円運動を大切にしながら、次の線、次の線へと気持ちを込めて、続けていきましょう。
「静かな波」も秀作ぞろいでした。先月の中学一年生の課題「夏が来ぬ」とは違い、「静」と「波」、「か」と「な」がクロスしているので、思い切りよく漢字が表現できていました。スマホ版になれなかった子も、ひらがなは全員よい字形でした。波を立派に書けていればよかったですね。サンズイの気脈や皮の二画目から三画目へと続いていく線がもう少し強い線(硬い線ではありません)で書いてくれると良かったですね。
中学生生活を充実させる意味においても、筆を執り、今の一時に集中し、そして自分を振り返る時間にしてくれたら嬉しいです。

硬筆

<中1 特待生>
鈴木 昊
大らかで伸び伸びとまとめ上げた作。
<中1 十段>
長岡 柚奈
文字のバランスが良く、流れが感じられます。
<中1 五段>
須藤 日奈子
流動感と温かみのある行書作品。
<中2 特待生>
遠藤 衣月
強い線で堂々とした書きぶりが良い。
<中2 特待生>
田村 奈穂
ゆったりと大らかに書き上げています。
<中3 特待生>
三津山 創太
流れが美しく、さわやかさをかもし出した作品。
【選出所感】
中学一年生が想像以上にペン字に慣れてくれたことにびっくりしています。ボールペンは筆管がどの角度でも線は引けますが、つけペンはそうはいきません。安定した軸の角度(60度くらい)とやや左に傾けたペン先の方向がしっかりとのみこめていないと実線は表現できないのです。今の自分の書き方を信じて書いてください。そして行書特有の崩し方を覚えて、上書き保存をしておいてください。中学生は記憶力が一番優れている時期です。沢山書いて、行書のフォルムを叩き込みましょう。
中学二年生・三年生、樹陰読書と和気海暢の漢詩句の方は、みんなとてもよく書けています。行書の曲線・連続・省略が身についている証拠です。其角の句のほうは少し流れが不足していたようです。二マス開けて書いた私のお手本がまずかったのでしょう。申し訳ありませんでした。やはり、この場合もやや漢字を大きく表現したらよかったのでしょうね。