臨書部
「臨 蘭亭序」
水列坐其
今回、臨書したところの四文字中三文字は、いつも指摘している左傾ではなく、右に傾いている様な構えをしています。水の縦画はやや左傾でしょうか。ハネは空海のハネのように押しだしています。列は明らかにリットウの最終画が右に倒れています。このハネも押し出して止まっているようなハネです。ヘンの左上の空間を大きくとっているあたりはいかにも王羲之系統の構えといえましょう。坐も面白い形をしていますね。左上に引っ張られる造形は決して端整な美とは言えません。其の縦画二本は左傾ですが、向勢をしているために顔真卿のような温かさを醸し出しています。私はこの頃王羲之形の字は左傾であり、左の分配が大きいと定義づけてしまいますが、それと反するような形をしている字も見えます。画一的な定義によって書かれるのではないというところが、書の面白さかなと思っています。