2025年1月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨 蘭亭序」
激湍暎帯

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先月号の臨書作品に対しての解説や書簡にずいぶん酷いことを書いてしまいました。私見ですが、今までに書いた「菊・異・崇・清・流」はつまらなく感じた文字です。この第二本は①米芾の自臨自跋か②宋代の米芾以外の誰かの臨本といわれています。つまり、宋人の自由な価値観・人間性の発露という裏返しの拙さなのではないかと思います。
今回の「激」もどう評価していいかわからない文字です。中央部は”白と方”で激となるのですが、この第二本では、中央部が”身”となっているように見えます。宋の時代の人たち、特に米芾がよく書く貝の時の書き方に似ています。「賀・賜・賦・購」などの米芾の字をご自身で字典を用いてお確かめください。私は下部を横画・ハネ・ハライの順で書きました。暎の日ヘンはまさに俯仰法を用いてください。帯の上部の組み合わせも右の二本の縦画が不格好な形をしているように感じます。皆さんが感じたままを臨書してくれてよいのだと思います。