2024年08月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨 蘭亭序」
至少長咸


PDF

「至」の筆順は判断しづらいですね。字源的には矢が着いたという意味を持ちます、隷書から草書に変わるときに点を一番後に打つという形がありますので、このスタイルも上部から土まで一気に書いて最後にムの点を打つという筆順でよいと思います。
「少」は八柱第三本などと比べますとこじんまりとまとめてあるように思います。四画目の左払いも他の蘭亭序はもっと気張って送り出していますが、誇張表現することなく、自然な感じで払っています。
「長」の入筆なども、何の変哲もないようなサラッとした書き振りですね。最後の右払いなども気負うことなく淡々と収めています。「咸」は「少長」と比べると意識的に左傾を強調していますし、筆圧の変化やスピード感も際立っているように思います。最後の二つの画も、今のようにはらいから点ではなく、点からはらいに、つまり上から下につなげて書いています。