2024年06月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨 蘭亭序」
亭脩禊事


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「亭」の重心の移動を見ると、下部に行くにしたがって、中心がどんどん右に移行しているのが本当によくわかります。更に「新字源」を開いて「亭」の字をみますと、”八柱第三本”の蘭亭序は、この米芾が書いたであろうと言われる、”八柱第二本”と比べると更に巧みに、右下への重心移動を行っているのが分かります。つまり、四画目か八画目の横画を貫いて、右への移動を更に強調しているのです。このような比較も面白いですね。
「脩」のニンベンの肉太な感じや、四画目を右サイドに打って、書きだす方法は、米芾の書き振りに似ていると思います。
蘭亭序の中では、ノギヘンに契と書かれている文字は、意味的には神事ですからシメスヘンとなります。この字は「新字源」には採用されていません。
「事」の字も「亭」と同じく、絶妙な重心移動をした後に、最後の縦画一本で支え切った感じがします。