臨書部
「真草千字文」 始制文字乃服 |
真草千字文の最後の臨書手本をパラっとめくったページに「始制文字」の語句が目に入りました。二玄社の書跡名品叢刊の随智永千字文7ページに載っていますが、このページは、前のページが「薑・醎・鱗」などという繁茂な字面に比べると単体が多く、字幅もゆったりとやや扁平気味に取ってあり、懐の広い自然体の書き振りに心穏やかになります。このようなツールを用いて原本を示すことなく説明するのが申し訳ありません。「始」も「制」も偏は側筆を用いて密に取り、旁は円運動で回転させ、白の広い空間を作ります。
「文」は二画目の横画を長く引き、頭を大きく構え、左右のはらいはつつましく、でも右払いは垂露でオシャレにまとめます。「字」智永の草書はウカンムリ、ワカンムリの旁は右上に大きく動きます。「乃」の一画目は左手法でしょうか。「複は側筆、俯仰法を巧みに用いています。奇を衒うことのない書き振りですが、様々な用筆法が見いだされます。残念ながら原色法帖選の中に、関中本千字文は収められていますが、この真草千字文は入っていません。原色の紙・墨の美しさはいかほどなのでしょうか。
「文」は二画目の横画を長く引き、頭を大きく構え、左右のはらいはつつましく、でも右払いは垂露でオシャレにまとめます。「字」智永の草書はウカンムリ、ワカンムリの旁は右上に大きく動きます。「乃」の一画目は左手法でしょうか。「複は側筆、俯仰法を巧みに用いています。奇を衒うことのない書き振りですが、様々な用筆法が見いだされます。残念ながら原色法帖選の中に、関中本千字文は収められていますが、この真草千字文は入っていません。原色の紙・墨の美しさはいかほどなのでしょうか。