2023年10月 お手本【一般 臨書部】

条幅臨書

「臨 皇甫誕碑」
績を東郡に樹つ。大尉は壌を槐里に裂き
司徒は土を耏門に胙いられり。

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半紙臨書

「臨 真草千字文」
渕澄取映容止

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真草千字文は、一行10文字で右の行に真書(楷書)、左の行に草書が書かれています。もともと草書の読み書きのテキストのような意味合いがあるので、楷書は釈文ということなります。楷書は比較的同じような大きさ均一的に書いていますが、草書は行の上半身がゆったりと大きく、下部がやや詰まったような感覚があります。しかし、今回の「渕澄取映」は、7・8・9・10文字目に位置しますが、この行の上は、之盛川流不息だったために比較的下部に余裕が生まれ、この四文字は例外的にゆったりと大きく書かれています。渕と澄のサンズイの大きさの違い。渕は左側が密になっており、右サイドは明るく伸びやかなはらいでおわります。澄のハツガシラの大きさには、びっくりです。これは、次の行の一字目にあたる容にも言えます。このような頭でっかちのスタイルが王羲之の典型的な造形美だと思います。取と映は、旁が大きい構えをしていることにも注意しましょう。