臨書部
「臨 皇甫誕碑」 哀慟里閭 |
前回の解説文で「皇甫誕碑は、右上がりがとても強く…筆画も極めて勁烈です。これらの特徴は、北魏の張猛龍碑にも見ることができます。」と樽本樹邨先生の文章を引用させていただきましたが。九成宮醴泉銘と比べて際立って、右上がりの強い字があります。「無」などは、九成宮の静かな右上がりに対し、張猛龍碑中の「無」と等しいほどの右上がりをしています。前回課題の「騰美晉鐘」も比較的右上がりの強い字面であるかもしれません。
今月の課題は「閭」以外はとても横広に書かれているというのがポイントでしょう。「哀」の点は二画目の横画の右に位置しています。口との間に広い空間がありますね。そしてなにより驚くのが、最終画の長さです。全体は、楷書が完成する前の墓誌銘の形をしています。つまり、字形が扁平なのです。これは、「慟里」にも言えることです。反面「閭」はすっくと屹立しています。また、門ガマエの背勢も見逃せません。背勢の印象は九成宮よりも一段と厳しい表現をしています。
今月の課題は「閭」以外はとても横広に書かれているというのがポイントでしょう。「哀」の点は二画目の横画の右に位置しています。口との間に広い空間がありますね。そしてなにより驚くのが、最終画の長さです。全体は、楷書が完成する前の墓誌銘の形をしています。つまり、字形が扁平なのです。これは、「慟里」にも言えることです。反面「閭」はすっくと屹立しています。また、門ガマエの背勢も見逃せません。背勢の印象は九成宮よりも一段と厳しい表現をしています。