臨書部
臨 関中本千字文 是れ競うべし。父に資り君に事うるに、 |
競の字があまりに点の存在感があったものですから、他の字はどうかと見比べてみました。”新字源”をみますと、北魏楷書は、立・立・日・儿(にんにょう)でした。隋の蘇孝慈墓誌と智永の千字文は同じ造型です。虞世南の孔子廟堂碑は「日」ではなく「口」です。この造型が小篆の型と一番近いものです。どうして「口」が「日」になったのか判然としません。そして、新字源に載っているのは真草千字文の「競」の字で、細筆の筆意が伝わってくる書き振りです。是非、みなさんも見比べてみてください。
私が時々顔を出す小料理屋さんの女将さんが、七月に開催した淳社書展の「祈」の作品を大層気に入ってくれたようで、しこたまその話で盛り上がりました。「祈」はその昔、戦場に出むく時に神に勝利を祈ったという字形が始まりなのです。「祈」の字の添え書きに白川静先生の字統の解釈を私なりにまとめて書いたのですが、その作に「それなら「祈」のない時代になるといいね」との感想で落ち着きました。その女将さんが先日”新字源”を購入しました。「やっと買うことが出来ました。仕事が忙しく、お金もなくてね」と笑って話してくれました。素敵な笑顔でした。是非皆さんも字典を一冊手元に置いて、書を楽しんでください。
私が時々顔を出す小料理屋さんの女将さんが、七月に開催した淳社書展の「祈」の作品を大層気に入ってくれたようで、しこたまその話で盛り上がりました。「祈」はその昔、戦場に出むく時に神に勝利を祈ったという字形が始まりなのです。「祈」の字の添え書きに白川静先生の字統の解釈を私なりにまとめて書いたのですが、その作に「それなら「祈」のない時代になるといいね」との感想で落ち着きました。その女将さんが先日”新字源”を購入しました。「やっと買うことが出来ました。仕事が忙しく、お金もなくてね」と笑って話してくれました。素敵な笑顔でした。是非皆さんも字典を一冊手元に置いて、書を楽しんでください。