2022年6月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨 趙孟頫」
如此良夜何

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Facebookで、趙孟頫の後赤壁賦の動画投稿を見つけました。投稿者は中国の書人ですが、その方はやはり、Facebookで、智永千字文も投稿しています。私よりも断然お若い方ですが、王羲之書法を本当によく研究されている方だと感心しております。
音楽に合わせ流麗に毛先が躍動している美しい映像です。手首のあり方も見たいのですが、残念ながら、そこは映し出されていません。ただし、私がよくみなさんに伝えている親指の方向ははっきり見えます。やはり、相当に上を向いています。それと虚掌実指の姿が確認できます。てのひらの中の卵をつぶさないようにしています。この方は、双鉤法を用いています。ですから、薬指が筆を支える指となっているのですが、相当強く、筆の下から筆管に対して力を入れています、時にはパーンとハネ返すような力の入れ具合なのです。特に楷書である智永の真相千字文の動作には、そこが顕著に映し出されています。もっとも千字文のほうは、半紙に六文字の字粒で臨書しているので、力の入れ方も強くなっているのでしょうが、肝心なのは薬指の使い方なのです。薬指に全神経を集中させる意識が大切なのです。
趙孟頫の書は「平明な書」と言われていますが、このような動画をご覧になると、その筆遣いも一層理解されると思います。是非皆さんもこのようなツールを利用されて、書を楽しんでいただければと思います。