2021年10月 お手本【一般 臨書部】

条幅臨書

曹全碑
「仍辟涼州常為治中別駕紀綱萬里朱紫不繆」

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半紙臨書

臨 米芾 苕渓詩巻
「松竹留因夏」

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宋代の書の三大家と呼ばれる三人をあげてみましょう。
蘇軾(そ・しょく)1036~1101
字は子瞻、東坡と号す。眉州眉山に生まれる。司馬光の旧法を支持し、王安石の新法に敗れ、左遷。唐宋八家として文芸上で活躍する。
黄庭堅(こう・ていけん)1045~1105
字は魯直、山谷と号す。洪州分寧に生まれる。蘇軾に詩を激賞され、のち詩のやり取りをする。蘇門の四学士の一人。
米芾(べい・ふつ)1051~1107
字は元章、襄陽漫仕、海嶽と号す。襄州襄陽に生まれる。晋人の真蹟書画を得たので、寶晋齋と号す。奇行が多く米顚と呼ばれた。
いろいろなエピソードを持つ米芾ですが、私は米芾の書が好きです。王羲之を書聖とあがめてはいますが、多くが法帖であり、未熟な私の眼では、王羲之の書の真の姿を見出すことは難しく、双鉤塡墨であっても、その筆順をしっかりと把握することも容易ではありません。そのため、王羲之を理解するためには、王羲之を学んだ米芾を糧として臨書しています。蘇軾や黄庭堅が中世的な貴族主義を打破する為に軍人であった顔真卿の書を推奨し、中鋒的な雄渾な線を追求したのに対し、米芾は王羲之・献之父子の王法を学んだ点が、蘇軾、黄庭堅と大きく異なる点といっていいでしょう。ですから、「四季の書」では、蘭亭序の後を受けて、米芾の苕渓詩巻を学んでいこうと思います。