選者選評
【毛筆】石神澄璇 【硬筆】鈴木白峰
毛筆
※作品は押すと単体で表示されます
【選出所感】
中学一年生の「冬椿」 は語句の凛とした美しさを表現していただきたかったのですが、 字の形にとらわれすぎてしまったようです。 紙面から筆を離さないで書きたかったですね。 冬の左払いから右下につなげる線、 そこから点々とつなげるところに筆意が感じられると良かったです ね。キヘンから「春」 の一画目にもつなぎの線を表現しても良かったですね。 あと三ヶ月で行書の基礎は終わりです。”連綿線” を大切にするということを心掛けましょう。
「飛雪」 はまさに一筆書きをするような気持ちでお手本を書きました。「飛」 の五画目以外はすべて曲線を用いるわけですが、むやみに走り書きしてはいけません。 カーブはゆっくりめの方が、気脈が長くなります。 あわてずゆっくりと線の周りの空間の広さを確認して進むくらいの 気持ちの方が良いでしょう。「雪」はアメカンムリを広く、「ヨ」 を引き締めて美しい字形で表現していました。
中学一年生の「冬椿」
「飛雪」
硬筆
【選出所感】
中学一年生の皆さん。 インクの出が悪いというというような線は全く見当たりません。 どの作品もしっかりとインク(墨)が入った作品です。 掲載された作品とのちょっとの差は滑らかさがあったかどうか? つまり流れが表現されていたかどうかという点だけです。 まずはお手本から全体感を見るように心掛けましょう。 巨視的に一字の字形と流れを掌握してからペンを進めましょう。
中学二・三年生の課題は、本文の真ん中あたりに「とふとん( 二行目)」「かな(三行目)」が集まっていたので、 エアポケットのようになってしまったのが残念でした。 本文も漢詩も全体的に直立不動型になってしまいましたね。 行書や仮名のスタイルは少し前かがみの形、 つまり左傾になると動きが生じるのです。 スタンディングスタートの姿勢を意識して書き進めると良いですね 。そしてもっともっと果敢に連綿線を用いてみましょう。
中学一年生の皆さん。
中学二・三年生の課題は、本文の真ん中あたりに「とふとん(