選者選評 古川倖帆
毛筆
※作品は押すと単体で表示されます
【昇段試験対策】
小学四年生の「松虫なく」はむずかしい課題です。「松」と「な」 がぶつかってしまうかもしれません。 キヘンをなるべく細く書きましょう。岡田の法則その二です。「 偏は横向きおもてなし」縦画より左サイドを広く、 右サイドを狭くしましょう。 キヘンの点も毛先で小さく軽く打ちましょう。「公」 の一画目がキヘンに触れないように。「公」 の右払いと点が紙から出ないようにしてください。 虫の二本の横画は縦画を三等分にします。五画目は右上に払い、 次の画に移ります。
小学五年生の「希望」は書写の教科書(光村図書) にも載っています。「希」 の一画目と三画目の書き順に注意してください。共に、 最初に書くのは、左払いの画ですよ。長い横画が四画目です。「 望」の一画目の点はやや右に打つ。2対1くらいのところかな。「 月」はやや右に傾けます。「亡」 の高さとそろえるようにしましょう。「王」 の最後の画を長くしすぎないようにした方が安定感がでます。
小学六年生の「満点の星」 は画数の多い文字と少ない文字がクロスしているので、 案外書きやすいかもしれません。「満」 のサンズイの幅を狭くして、なるべく旁の幅を拡げましょう。 サンズイと旁の下のラインをそろえましょう。「天」 はある程度太目にかきます。二画目のはらいは、 一画目に浅く接するようにしてください。「の」 のはらいは筆管を右に倒しながら払いましょう。「星」 はとにかく横画が等間隔になるように心掛けましょう。
小学四年生の「松虫なく」はむずかしい課題です。「松」と「な」
小学五年生の「希望」は書写の教科書(光村図書)
小学六年生の「満点の星」
硬筆
【昇段試験対策】
小学上級生の皆さんはお習字にかよって何年もたちますね。 いつも中心線を意識して書いてくれていると思います。 これからは、ベルト(紙やマス目の2分の1の高さ) をも見てください。「季」でいうと「子」の書き出しがベルト。「 縄」は二つ目の「日」の書き出しがベルト。「栄」の「木」 の一画目がベルト。このようにチェックすると、 書きはじめの空きや、下のつまりが直ります。
小学五年生は、もう一度中心線(背骨)をチェックしましょう。「 眼」の「艮」の四画目は中心線。「租」の「且」 の一画目はやや中心より右です。「謝」の「身」の一画目、「毒」 の二画目、「妻」の五画目はすべて中心線ですね。 観察力が鑑賞力につながります。 四年生と同様あまり書き順を間違えそうな字はありませんが、罪・ 毒・妻・確、あたりは注意してみましょう。
小学六年生には特待生にリーチがかかっている子が何人かいます。 いつも通りに先生に言われた枚数書けばいいやとは思わず、 もう一枚、もう一枚、 余分に書いて良い作品を書こうと思うことが大切です。 市販のノートにおうちでも復習できます。 染色家であり民芸活動もした芹沢銈介さんは、染め物を作るとき、 もう一押し!もう一押し!と励んだそうです。 一字を書くテクニックより気持ちが大切です。ですが、 あえて言います。 漢字の下四字を細身に書かないで立派に書いてください。 それが合格の秘訣です。
小学上級生の皆さんはお習字にかよって何年もたちますね。
小学五年生は、もう一度中心線(背骨)をチェックしましょう。「
小学六年生には特待生にリーチがかかっている子が何人かいます。