臨書部
臨 曹全碑 「完易世載徳不」 |
私が臨書学習の第一歩として推奨した曹全碑ですが、 先般青山杉雨先生が臨書された”折帖曹全碑” の5冊がネットオークションにだされ、高額で落札されました。 青山杉雨先生が60歳前後に書かれたものだと推測されますが、 すごいものですね。
このように曹全碑は幾多の書人によって習われづくした名品ですが 、それは隷書の典型を示しているからです。 遒古とも清痩とも評される風格は、 聖斉な結体と流暢な運筆から汲みとれます。
隷書を学習する為に必要なのは用筆法の違いを掌握することです。 楷書の用筆法とは全く異なります。 楷書は基本的に毛先が縦画の場合は左に、 横画の場合は上に出るように、側筆になるようにうごかします。 つまり露鋒(毛先が線上に表出する)なのですが、 隷書の場合は線の中心を毛先が通る中鋒という筆運びとなるのです 。 このようにすると力が線の両側に均しく筆力を発揮できるのです。 中鋒の線を作るには、 起筆のところで毛先をからげる用筆法が大切となります。「の」 の字を書いたら水平に筆を運びます。 長い横画にはうねりが加わり波の形のようになります。 これを波勢(波のすがた)と呼び、隷書特有のリズムです。 最大限に長い横画には波磔(はたく)があります。原則、 一隷一波と読んで一字の中で一本だけ払いのある横画を表現します 。
このように曹全碑は幾多の書人によって習われづくした名品ですが
隷書を学習する為に必要なのは用筆法の違いを掌握することです。