2026年07月 お手本【一般 条幅部・随意部・実用書部】

条幅部

「劉基詩」
庭前緑荷葉 香気酒よりも濃し
疎雨忽ち飛来すれば的皪(てきれき)として明珠走る

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【手本解説】
この字面は、行書で書いてみたらどうかと思い検字をしましたが、書作してみたら思いの外、平板な行書作となってしまいました。一層のこと省略の効く草書体で書いてみたらと思い筆を執りました。
庭・於・飛のみ行書体を挿入してみましたが、やや濃目の表情が出てよかったかと思います。点の打ち方は、懐素のような蔵鋒的な打ち込みの強い点を打つことで、白に対するアクセントが効いたのではなかったでしょうか。
連綿線を用いることなく単体での草書作品ですが、潤渇の変化はつけたいものです。渇筆のあとの潤筆の文字の間には、少し広目の空間を作ることで白の効果が、次の墨を入れた文字の印象を引きたたせてくれます。草書体を用いて書作する時は、とにかく誤字を書かないように注意して下さい。あやしい時は、字典を引くという習慣をおつけ下さい!

[岡田明洋]

随意部

「臨趙之謙」
鯤魚駿馬如龍

沖村春岑

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「五字句」
天昏月有影

古川倖帆

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「臨 馬拝振造像記」
邑主馬振拝維

石神澄璇

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「芭蕉の句」
荒海や佐渡に横たふ天の川

佐藤綵雪

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【明洋随想】
鉛筆を握る際、”鳥のクチバシ”になってはいけないと言いますが、問題は、親指と人差し指で鉛筆を正しくつまむことが大切なのです。近頃、私はお弟子さんに対して、『人差し指の指紋から第二関節までベッタリとボンドを塗って隙間を作らないようなイメージを持って下さい』と言います。不必要な力を入れず、リラックスした二本の指先で鉛筆をつまむように心掛けてもらいます。親指を突き出していると握りは強くなり、線は濃くなりますが右上りの線は引けなくなります。しっかりした線を引いていると錯覚しているのです。無駄な力を入れず、親指と人差し指でゆったりつまみ、指の伸縮をさせることが肝要なのです。
新中学生の多くが、書道を続けてくれていますが、ペン軸・ペン先・インクの道具に少し手こずっている様です。まずは握り方を再チェックしてみましょう。

[岡田明洋]

実用書部

坂出善通寺観音寺
白鳥はかなしからずや空の青
海のあおにも染まずただよふ

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【手本解説】
今月の細字は、いつもより少し小さく書きすぎてしまったようです。石川県のみなさんはこの細さに挑戦してみましょう。 筆管が、縦の時は、右に倒れて、横線は少し体の方に寝かしすぎているので、線が太くなってしまうのですね。毛先を用いて面を作ってしまっているのです。ハケ状になっていると言ってもいいかもしれません。起筆、特に縦画の時の主なる線は、しっかりとS字を作るようにして、少し引いてから送筆部に向かうと良いですよ。
地名のペン字も、細字に合致するように、少し小振りに書きました。上の寺と下の寺では筆順を変えてあります。
和歌は、有名な若山牧水の歌です。青く澄み渡る空と海という大自然の中を、どちらの青にも染まらないで、白い姿のままで、漂い続ける白鳥よ。お前は、悲しくないのかい。 青春を漂泊している牧水自身の姿に共感しますね。

[岡田明洋]