2025年10月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】望月碧雲 【硬筆】沖村春岑

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 特待生>
深谷 ゆり
行書の流れを意識して書けていて、筆運びも丁寧。
<中1 八段>
松村 直太朗
少し小ぶりですがゆったりとした線で書いた明るい作。
<中2 九段>
木谷 駿佑
細身の線で、次の画へのつながりを意識した良い作。
<中2 五段>
小嶋 明里
やわらかな線で素直な書きぶりの好感ももてる作。
<中2 五段>
小野 奏
墨量たっぷりで流れのある堂々とした作。
<中3 特待生>
末永 実以
字形が整い、力強い線で丁寧に書けました。
【昇段試験対策】
「詩歌」”しいか”と読みます。高校入試の時にもその読み方が出題される時がありますよ。
ゴンベンの点の位置は思い切り右に打ちます。そして右サイドに壁をつくります。中心線に接することはないように。「詩」は上から下に流れるつながりを大切にすることです。点や縦画もからげてはいる蔵鋒という筆使いをするといいですね。「歌」は偏の点・点・点を打つようなリズムで右に連続させることが難しそうですね。「N」の筆記体のような早書でテンポよく書きましょう。「欠」を偏に近づけて書くと両方の字がスリムに書けます。二字とも画数が多い課題ですので、連続した線で伸びやかに書きましょう。

[岡田明洋]

硬筆

<中1 特待生>
深谷 ゆり
強弱のついた美しいペンの線です。雄大に書いています。
<中1 十段>
平野 真千子
やわらかなやさしい字です。おおらかでいいね。
<中2 十段>
木谷 駿佑
スケールの大きな堂々としたペン字です。
<中2 五段>
小野 奏
品良く綺麗にまとめました。もっと力を抜いてもいいね。
【昇段試験対策】
この頃はお手本も、一字一マスに書くようにしていますので、落ち着いて書いているようです。それでも、小学生の時に用いていた楷書とは、異なった形が行書では見られます。新の木ヘンの最後の点の省略、福のシメスヘンの造形、筆順の違い。路のアシヘンの連続性、葉の世の省略などがそれです。慌てることなく、筆順をしっかりつかんでから書きましょう。
ひらがなを少し小さく書くように心がけてください。ゆの字母は由。くは久、もは毛、るは留、のは乃がそれぞれの字母です。漢字の草書を用いて、仮名を発明した平安時代の日本人は大したものですね。来年の11月ごろには、ユネスコ無形文化遺産に認定されると思います。先人たちの意思を継いで、書の価値を高めていきましょう。

[岡田明洋]