2025年06月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨 蘭亭序」
竹管弦之

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この課題の竹以外の文字は久しぶりにしっかりと左傾の構えをしてくれています。やはり、竹の二本の縦画がともに左下の方向に向いていては、左傾には見えませんね。定武本も神龍半印本も三画目は右下の方に向いています。
そのために、この二つの法帖の竹は左傾に見えます。次の管のタケカンムリの三画目はこの第二本と同じように、定武本も神龍半印本も左下に流れてから二つ目のケに向かっています。タケカンムリに高低差があるので、とても大きなタケカンムリに見えます。王羲之の書の特徴としての頭でっかちの構えがいかんなく発揮されている文字といえましょう。弦を見ますとユミヘンが大きく、しかも上部が広くとってあることに気づかれるでしょう。これも王羲之の特徴です。楷書との類似性があるのではなく、むしろ隷書との共通性の方が見出されます。之も点を上に打ってあるので、上部が広く感じられます。

[岡田明洋]