2025年01月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】大村清琴 【硬筆】佐藤綵雲

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 八段>
谷 駿佑
力むことなく伸び伸びとした線で表現しました。
<中1 三段>
小嶋 明里
終筆の方向を次の方向に向かうことが意識されています。
<中2 十段>
末永 実以
長いハライに腕の動きと筆の軸の向きが感じられます。
<中3 特待生>
深谷 志歩
曲線に柔らかさがあり趣を感じる作品です。
<中3 特待生>
山本 里優
滑らかな筆使いの特徴がよく表れた作品です。
<中3 特待生>
浦 ひまり
筆をしっかり止め、穂の弾力を使って方向を変えています。
【選出所感】
寒椿の花言葉には「謙譲」「愛嬌」などがあります。寒椿はサザンカとツバキの交配種といわれており、薄いピンクパープルの色合いをしています。私の家の庭には、侘助、山茶花、椿が一本ずつあり、少しずつ異なる風情を楽しませてくれています。
寒椿の語源を調べながら書くと、気持ちも入った作品になるのではないでしょうか。
寒、ウカンムリと下部とが狭かったり、触れたりするとやはり窮屈なものとなります、偏と旁のように、上下の関係にも懐の広さを大切にする気持ちが欲しいですね。
椿はまさに複体の字ですから、懐を豊かに取りたいですね。春の横画三本をつなげる気持ち、特に二・三本目は虚画を実線的に表現しても良いですね。左右のはらいも俯仰法を意識して書きましょう。

[岡田明洋]

硬筆

<中1 七段>
中司 沙英
行草の文字の継ぎ方に熱心に学んでいる様子がわかります。
<中1 四段>
小野 奏
力を抜いたやさしい文字で、安定感もあります。
<中2 特待生>
末永 実以
ほど良い大きさの文字でやさしさを感じます。動きもなめらかですね。
<中3 特待生>
深谷 志歩
長年の勉強の効果が出ている作品だと感じました。今後も楽しみにしています。
<中3 特待生>
浦 ひまり
紙面への配字筆使い等々に長い間の成果を感じました。
<中3 特待生>
山本 里優
少し力味を感じますが努力されている様子が伝わってきます。
【選出所感】
どうですか。字母と仮名の関係を読み取ることは楽しいですか。「せ・な・の・も・や・よ」などが「世・奈・乃・毛・也・与」を字母としていることを知れば、必然的に正しい筆順が理解できるのではないかと思います。
反面、私でも「部・武」が「へ・む」となることには首をかしげてしまいます。
しかし、ここに漢字と仮名、つまり中国と日本のおつきあいがあることを感じながら21世紀の日々を生きることは意義あることだと思います。
2025年を迎える除夜の鐘に皆さんの心は華やいだでしょうか。
言葉は言霊(ことだま)です。特に中学三年生の皆さんが、第一希望の高校に合格されることをお祈りしています。”華”の最後のはらいのように、ゆっくりと息を吐きだして受験に臨みましょう。

[岡田明洋]