2024年12月 お手本【一般 臨書部】

臨書部

「臨 蘭亭序」
又有清流

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第二本(この臨褚遂良とされているものの、宋代以降、特に米芾によって臨書されているもの)と第三本(馮承素によって敷き写しされた搨摹本)と比べることにどれほどの価値があるのかと9月の文章に記しましたが、やはり比較材料があったほうが特徴を捉えることが出来そうです。
又、第三本と比べると上部の空間が大きく、右払いが短いようです。つまり短足、頭でっかちの構造をしています。
有、温和な書きぶりで、横画の空間もゆったりと広く等間隔にとってあります。一画目の蔵鋒と月の一画目の左手的線などは、むしろ顔真卿の争座位稿の影響を受けているように思われます。
清、「新書源」を見ても、米芾の作品は青がとても上部に書かれています。サンズイの細い線はどこから来たのでしょう。米芾のサンズイは太く幅広が特長なのですが。
流も、「新書源」の米芾の作品はとても肉厚なのにリズムがあります。私の好みかもしれませんが、第二本の流は好きな表現とは言えません。