選者選評
【毛筆】大村清琴 【硬筆】鈴木華扇
毛筆
※作品は押すと単体で表示されます
【昇段試験対策】
「天地」は伸びやかに堂々と大きく書きましょう。縦線、横線の基本点画は10時30分(45度)の入画でしっかりとした方筆(四角っぽい入筆の形)にしてから、横画は進行方向にすこし筆をたおしながら力を入れていきましょう。縦画は起筆のところで、少し手首を紙面に近づけるようにして、真下に引きます。左右の払いは、「木立」の文を読んでください。「地」は偏と旁がぶつかることのないように懐をしっかりと広くとってください。「也」の一画目は内側に絞り、あとは垂直に引きます。最後の画は、カーブのところで少し力を抜いて、そのあとは、気持ちを充実させ、毛先を左側にしてから直上にハネます。
「雲海」は楷書に近い崩し方をしているので、あまり早書きをしてはいけません。ゆっくりでいいので、気脈を大切にして、毛先を紙面から離さないつもりで運筆しましょう。難しいのは、「云」の最後の横線から上に連綿線を用いてからの点です。細さと点の位置、高さに気をつけて書きましょう。海はお手本より少し「毎」を右に書いてください。懐を広くとり、安定感が感じられる構造にしましょう。
「天地」は伸びやかに堂々と大きく書きましょう。縦線、横線の基本点画は10時30分(45度)の入画でしっかりとした方筆(四角っぽい入筆の形)にしてから、横画は進行方向にすこし筆をたおしながら力を入れていきましょう。縦画は起筆のところで、少し手首を紙面に近づけるようにして、真下に引きます。左右の払いは、「木立」の文を読んでください。「地」は偏と旁がぶつかることのないように懐をしっかりと広くとってください。「也」の一画目は内側に絞り、あとは垂直に引きます。最後の画は、カーブのところで少し力を抜いて、そのあとは、気持ちを充実させ、毛先を左側にしてから直上にハネます。
「雲海」は楷書に近い崩し方をしているので、あまり早書きをしてはいけません。ゆっくりでいいので、気脈を大切にして、毛先を紙面から離さないつもりで運筆しましょう。難しいのは、「云」の最後の横線から上に連綿線を用いてからの点です。細さと点の位置、高さに気をつけて書きましょう。海はお手本より少し「毎」を右に書いてください。懐を広くとり、安定感が感じられる構造にしましょう。
[岡田明洋記]
硬筆
【昇段試験対策】
先月号の一般の実用書の部の選出所感に記した「一度赤鉛筆で書いたものを、もう一度手本と見比べながら自己批正するつもりでペンで上書きされたらどうでしょうか」を中学生の皆さんが実践してくれているので、更に具体的にその方法を述べてみましょう。中学一年生のお手本を例にします。
漢詩のところは、手本の点々のラインを見てください。「明」の「月」のはらいが、ちゅうしんせん(せぼね)ではらいがとまっていますね。「明」の「日」の四画目が高さの1/2のライン(ベルト)に書かれていますね。自分が書いたものは、どうなのかを確認してみてください。釈文のほうは、もっとはっきりラインが見えますので、そのラインを利用しましょう。「る」の丸みのカーブがライン上にかかっていますね。「時」の「日」の二画目が二本目のライン上に書かれていますね。このようにしてチェックしますと、高さがどれほど違っているか一目瞭然です。「風」のカゼガマエのハネ、「の」の折れ、「か」の起筆、「き」の四画目の起筆、これらをチェックすれば、手本との字間の取り方の違いもよくわかります。このような方法をとることで、鑑賞眼が育ちます。これが自己批正となるのですね。
先月号の一般の実用書の部の選出所感に記した「一度赤鉛筆で書いたものを、もう一度手本と見比べながら自己批正するつもりでペンで上書きされたらどうでしょうか」を中学生の皆さんが実践してくれているので、更に具体的にその方法を述べてみましょう。中学一年生のお手本を例にします。
漢詩のところは、手本の点々のラインを見てください。「明」の「月」のはらいが、ちゅうしんせん(せぼね)ではらいがとまっていますね。「明」の「日」の四画目が高さの1/2のライン(ベルト)に書かれていますね。自分が書いたものは、どうなのかを確認してみてください。釈文のほうは、もっとはっきりラインが見えますので、そのラインを利用しましょう。「る」の丸みのカーブがライン上にかかっていますね。「時」の「日」の二画目が二本目のライン上に書かれていますね。このようにしてチェックしますと、高さがどれほど違っているか一目瞭然です。「風」のカゼガマエのハネ、「の」の折れ、「か」の起筆、「き」の四画目の起筆、これらをチェックすれば、手本との字間の取り方の違いもよくわかります。このような方法をとることで、鑑賞眼が育ちます。これが自己批正となるのですね。
[岡田明洋記]