2022年2月 優秀作品【中学生】

選者選評
【毛筆】野々山鶴僊 【硬筆】望月碧雲

毛筆

※作品は押すと単体で表示されます

<中1 特待生>
鈴木 昊
流れる様な筆運びで自然な美しさが出ている作品です。
<中1 特待生>
青島 庵
字形もしっかりしていて安定した作品。
<中1 特待生>
長岡 柚奈 
力強い大らかな線でゆったりと書けています。
<中2 特待生>
遠藤 衣月 
筆遣いが素晴らしい!スッキリ美しくまとめた作品です。
<中2  特待生>
土井 千亜希
強い線で勢いのある作品になりました。
<中2 特待生>
田村 奈穂
柔らかい動きのある線で書けています。
【選出所感】
中学生の行書が本当になめらかなものになりました。ここ半年くらい「左払いは自分の鼻の方に筆管を向けて払おう」と言ってきましたが、その言葉の裏付けとなるような文章を見つけてきたことは、一般の級の部の選出所感に記しました。少しかみ砕いて、中学生の皆さんに述べてみようと思います。

筆遣いに俯仰法(ふぎょうほう)というものがあります。筆の進む方向に筆管を倒して運筆します。横画は筆管が右に倒れることによって、掌が左側に開くようになります。これが”仰”です。縦画は筆管が手前に倒れることによってふせた感じになります。これが”俯”です。斜画は左へ払う場合は”俯”で、右にはらう場合は”仰”となります。つまり、左払いは手を伏ふせるようにすることによって、自分の鼻の方に筆管を倒しながら払うことになります。このような筆遣いを意識すると紙面の裏まで墨が入って、真っ黒なエネルギーのある線となります。

硬筆

<中1 特待生>
青島 庵
懐が広くゆったりとした穏やかな作です。
<中1 特待生>
鈴木 昊
一字一字丁寧に熱心に取り組んでいますね。
<中1 六段>
須藤 日奈子 
連綿線を意識して書いていて流れのある作です。
<中1 初段>
中司 杏実 
安定した字形です。流れがあるともっと良くなりますよ。
<中2 特待生>
遠藤 衣月 
抑揚の変化があり躍動感のある運筆がすばらしい。
<中2 特待生>
田村 奈穂
丁寧な書きぶりで落ち着いた作です。
【選出所感】
中学一年生のお手本の中の「気」と「渡」はあまりにも連綿が強すぎて難しかったですね。もう少し字画が明瞭なお手本にしないといけなかったですね。ただ、それ以外はしっかり書けていました。「天」と「春」の右払いは、だんだん力をいれて太くなるようにしたいですね。毛筆とは異なり、俯せてから人差し指の力を入れて徐々に圧力をかけていけばよいのです、やや、平仮名に圧力を入れすぎている感じがしました。
中学二・三年生の課題には、「霽」や「濃」などの画数の多い文字が入っていましたが、このような時はマスからはみ出しても構いません。むしろマスの中に小さく入れるよりは、長い線は思い切ってマスを破るようなつもりで、文字の大小の変化をつけてみても良いのでしょうね。行書は、楷書的な行書やらつづけた線を多用したもの、また、反対に省略の形をしたものなど、沢山のスタイルがありますから、その変化を楽しみましょう。